日本の社会は建て前社会と言われており、本音と建て前を使い分けています。
一方で欧米社会では、はっきりとモノを言うことや自分の考えをしっかり主張することが良いとされています。
しかし、欧米では自分ではどうすることもできない容姿や年齢については、悪口を直接言わないことが徹底されています。
これに対して建て前社会の日本では、悪口にどのように影響しているのでしょうか。
建て前と悪口の関係について考えてみましょう。
日本人は外国人から見ると悪口を言わない優しい、親切な人に見えるかもしれないが、それは建て前が定着しているからですね。
実際に日本に住んで生活してみれば、悪口を言う人は意外に多いことに気付くはずです。
— ムソムソ心理学@悪口は災いの元 (@yougaku80) August 9, 2021
結局人間そのものが悪口を言う動物なので、面と向かって言うか陰で言うかの違いしかありません。
まったく悪口を言わない人は他の方法でストレスを発散しているか、人間関係を持たない人かもしれません。
— ムソムソ心理学@悪口は災いの元 (@yougaku80) August 9, 2021
建て前社会と悪口
建て前社会の日本では悪口は本音の部分として表現されます。
悪口は本音
日本の建て前社会では、建て前の部分では決して悪口は言いません。
例えば、職場で上司の話を聞いているときは、にこにこ同意しているように見える人でも、上司がいなくなった途端に悪口を言うことがあります。
上司がいるときは建て前では同意していますが、いなくなると本音が出て悪口を言うのです。
上司がいなくなってから言うので、それは悪口の中でも陰口となります。
日本ではほとんどの悪口が陰口となるのは、本人が目の前にいるときは建て前を通すからです。
本人の目の前で悪口を言う場合は、悪口を言う側が圧倒的に上の立場にある場合がほとんどです。
立場が対等、あるいは目上の人に対して直接悪口を言う場合は、よほど感情的に高ぶって我を忘れている状況だと考えられます。
つまり、日本では面と向かって悪口を言うことはほとんどなく、本音として陰口を叩くのが一般的なのです。
表面上はにこやかで親切に見える人が、陰に回ると悪口を言い回っているというのは、建て前と本音の使い分けている典型的な例です。
すべての人が自分の本音で話し始めると必ず衝突してしまうからです。ですから表面上仲がいいふりをするというのは、それほど悪いことでは無いと思います。
うちの会社にもいましたよ。
そんな先輩(女)が。
私が入社したときは、会社のことや他の人のことをいろいろ教えてくれました。
最初は親切な人だなーって思ったけど、後々、その人が悪口を言いまわっていると知りました。
私のことも言っていました。ほんっとにくだらないことです。
職場では基本的に建て前を使うので、本音を言うのは仕事終わりの飲み会というのが一般的でした。
ここで会社では言えない上司や部下の悪口をいうことで、ストレスを発散するのです。
しかし、今は同僚や先輩、ましてや上司といっしょにお酒を飲むことを嫌う人も増えてきました。
— ムソムソ心理学@悪口は災いの元 (@yougaku80) July 9, 2021
そうした人たちの発散の場所がSNSなのかもしれません。しかも、匿名なので内容はより過激になってしまいます。
どちらがいいのかはその人次第ですが、陰口がバレたときのリスクはどちらも同じなので気を付けましょう。
— ムソムソ心理学@悪口は災いの元 (@yougaku80) July 9, 2021
学校では建て前を教えている
日本ではなぜ建て前が定着していて、建て前と本音の使い分けが普通に行われているのでしょうか。
日本の学校では「建て前と本音を使い分けましょう」とは教えていません。
しかし、学校が直接は教えていなくても、実は子供達は学校で建て前を強制されていると考えることができます。
建て前というのは言葉を換えると「きれいごと」と言うこともできます。
今、学校ではイジメが大きな問題となっていますが、これに対応するために学校がやっていることは「きれいごと」の押しつけです。
イジメをなくすために先生達は「みんな仲良くしましょう」「悪口を言ってはいけません」ということを強要しています。
学校側や先生達はそのつもりはないかもしれませんが、実は建て前を教えていることにつながっているのです。
建て前の強制による悪口
子どもは友達とケンカしたり、悪口を言ったりすることで自分と他の人は考え方や感じ方も違うことを学んでいきます。
また、悪口を言うことはストレスを発散する効果があるのに「悪口を言ってはいけません」と建て前を強制されることでひどく抑圧されることになります。
そのはけ口としてSNSで悪口を言うようになります。
普段抑圧されているので、匿名のSNSでは悪口はより過激になる上に、言われる側も普段は建て前しか見ていないので悪口に慣れていません。
そのため悪口を言われる側のショックが大きくなり、「ぶりっこ」と言われただけでも大きなショックを受けてしまいます。
普段から悪口を聞いていればそれほどショックではないことでも、過剰に反応してしまうのです。
結果として、建て前は悪口への耐性を弱くしています。
本来、本音と建て前の使い分けは、親が次のような言葉で教えてきました。
「○○ちゃんはバカだ」といった言葉に対して
「○○ちゃんはバカだね。でも、それは家で言ってもいいけど外で言うと嫌われるからやめなさい」
と諭していましたが、今の親は「悪口を言ってはダメ」で終わりです。
そのため悪口は悪いことだという建て前だけを押しつけられてしまうので、本音の使い方や悪口への耐性もなく育ってしまうのです。
まとめ
親から建て前と本音をきちんと教えてもらっていない子供は、使い分けのできない大人になります。
建て前をなくしてしまえばいいのかもしれませんが、本音だけの社会もそれなりのルールがあるので、日本に導入してもすぐには対応出来ないでしょう。
むしろきちんと本音と建て前の使い分けができるような教育をした方が、イジメや誹謗中傷を減らす役に立つのかもしれませんね。
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