もしも職場で上司の悪口を言って、それが上司の耳に届いてしまったら、その悪口が理由でクビになってしまうことはあるのでしょうか?
筆者は過去に会社勤めをしていたときに、会社の先輩が昼休みにある食堂で上司の悪口を言っていたら、すぐ近くの席にその上司がいたという話を聞いたことがあります。
そのときはもちろんクビになるようなことはありませんでしたが、実際にクビになった例はあるのでしょうか。
今回は悪口が原因で勤務先をクビになる可能性があるかどうかを検証してみましょう。
会社の上司への悪口がバレたらどうなるのか
クビになるかどうかは別にして会社の上司への悪口がバレたときに、どんなことが起こるのかを考えてみましょう。
上司の悪口はバレやすい
悪口はそもそも相手に直接言わずに陰口だったとしてもいつの間にか本人に伝わってしまうものです。
なぜならば、悪口を聞いた人の中には本人に告げ口をする人が必ずいるからです。
誰にも悪口を言わなければバレることはありませんが、それはそもそも悪口とは言わないでしょう。
誰かにしゃべってしまうから悪口なのです。
さらに上司の悪口が本人に伝わりやすいのは、告げ口をすることで上司への印象を良くしたいと考える人が多いからですね。
しかも、悪口を言った人をライバルだと思っている人がいれば、確実に上司に告げ口をすることでしょう。
結果として、上司の悪口は本人に伝わりやすいことになるのです。
上司への悪口の問題点
悪口の対象が上司でなくても以下のような犯罪に該当すれば、訴えられたり罰を受けたりする可能性があります。
・侮辱罪
・名誉毀損罪
上記以外にも業務妨害罪などの可能性もありますが、公衆の面前で悪口を言ったり、明らかな被害を与えたりしない限りは、法律違反となる可能性は低いでしょう。
しかし、会社の就業規則違反ということで考えてみると、上記のような法律違反に比べると適用される可能性は高くなります。
たとえば、下記のような点は就業規則違反になることが考えられます。
・労働者が上司・会社の悪口を言うことは業務の妨害行為
・不名誉な行為で上司・会社の体面を汚した
・悪口の内容に、外部に漏らすべきでない業務上の秘密が含まれていた
特に悪口の対象の上司が、役員など経営に携わっていれば、上司個人だけでなく会社に対する悪口にもなり得ます。
そのため、法律に違反しなくても上司への悪口は社内での処罰の対象の可能性があるのです。
悪口が原因でクビと言われたときの対処法
上司への悪口が処罰の対象となる可能性があることはわかりましたが、実際にクビだと言われたときはどう対処したらいいのでしょうか。
2つのケースで考えてみましょう。
悪口が原因で退職を求められたとき
上司の悪口を言ったとして解雇を求められたのであれば、基本的な対処方法は拒否することです。
退職の勧奨であれば、単なる会社からのお願いであって強制力はないので、退職が嫌なら拒否をすればいいだけです。
しかし、会社側がどうしてもクビにしたいのであれば、業務命令に背いたと理由で退職が通知される可能性があります。
その場合は解雇と言われたときと同様の扱いになります。
悪口が原因で解雇と言われたとき
解雇を通知されてしまった場合は、基本的にそれに従わなければいけません。
なぜなら、会社と社員の間には雇用契約があるので、契約を一方が解除できることは民法で認められているからです。
しかし、解雇の通知を拒否することは出来ませんが、解雇そのものを無効に出来る可能性があります。
解雇を無効にする方法
雇用側が一方的に解雇をする場合は解雇をすることに、
・客観的に合理的な理由がある
・社会通念上相当である
という2つの理由が必要です。
上記の2つを満たしていなければ、解雇権の濫用となってしまい、解雇は無効だと判断されるのです。
ここで問題となるのは悪口の内容です。
ごく一般的な悪口(身体的特徴を口にしたなど)であれば、それによって会社の秩序を乱した、信頼関係が壊れたとはいえないので客観的に合理的な理由がありません。
また、懲戒解雇であれば就業規則の懲戒事由に該当する必要があるので、会社にとってよりハードルが高くなり、解雇が無効となる可能性は高くなります。
つまり一般的な悪口では会社を正当に解雇することは難しいということです。
解雇されるほどの悪口を言っていないのであれば、内容証明書を会社に送付してまずは解雇の撤回を求めましょう。
それでも交渉に応じない場合は、弁護士などの専門家に相談して訴訟を考える必要があります。
訴訟で勝訴すれば、解雇の撤回や復帰までの給与の補償が可能になります。
>上司の悪口を言ったらクビになるのでしょうか?
不当解雇(解雇権の濫用)です。
仮にそれが理由なら裁判で争えば必ず勝てます。
解雇されるにはその理由が必要です。
その理由は「解雇理由証明書」として会社に求めることが労基法で定められています。
まとめ
悪口を言っただけでは簡単に会社をクビになることはないということが分かりましたね。
しかし、万が一にも解雇を言い渡されてしまうと、たとえ解雇が不当なものであっても復帰するには時間も手間もかかってしまいます。
上司の悪口はなるべく控えるというのが最も賢いやり方であることは間違いありませんね。
今日実際に会社の悪口メールが原因で1人クビになりました