悪口を聞いていて中にはストレートに相手をバカにする言葉を使う人もいますが、なぜか植物や動物を引き合いに出して悪口を言う人もいます。
「おたんこなす!」「このタコ!」などがいい例ですね。
悪口のパターンを知っておくことで自分が悪口を言われたという認識もできるので、今回は悪口の言い回しについて考えてみましょう。
悪口に動物や植物の名前が使われる理由
なぜ悪口に動植物の名前が使われているのでしょうか?
まずはそこから考えてみましょう。
直接的な表現を避ける
悪口に動植物の名前が使われる理由として考えられるのは、直接的な表現を避けるということがあります。
相手を侮辱するのであれば直接的表現の方が威力は大きいですが、仲間内のケンカなどでは直接的表現はケンカの後も尾を引くことになります。
そのため、直接的ではない比喩的表現を使うようになり、身近な野菜や動物に例えた悪口ができたと考えられます。
直接的な表現はひねりがなくて、言っている自分がバカに見えるということもあるかもしれませんね。
ただし、いくら比喩的な表現でも相手に侮辱していることが伝わらなければ意味がありません。
日本人は農耕民族なので、植物の中でも畑でとれる野菜になじみがあるので、誰でも知っているたとえとして植物の中でも野菜が多く使われているようです。
動物の特徴に例えて悪口を言う
間接的に悪口を言うときは、特徴的な動物に例えると誰にでもわかりやすく、悪口を言っている理由もはっきりします。
そのため動物に例えた悪口も多くあります。
最近ではアメリカの動物愛護団体が、悪口に動物を使うのはやめようという運動を展開しているようですが、賛否両論を巻き起こしています。
確かに、動物に言葉はわからないですから、やり過ぎと感じる人は多いでしょう。
また、言葉は文化の一部なので既に定着してきたものを覆して他の言葉に代えることも難しいでしょう。
「こうした言葉で動物たちが虐げられているとは思えないわ、だって動物は言葉を理解できないんだから。
言葉という概念も、言葉の持つ意味さえも動物の文化にはないんだし」と、辛辣なコメントを書き込む人もいた。
動植物を使った具体的な悪口と意味
それでは具体的にどんな悪口が使われるのか見てみましょう。
植物・野菜を使った悪口
植物や野菜を使った悪口には以下のものがあります。
・ボケナス・・・・色がぼけた(ぼんやりした)出来損ないのナスのこと、バカやウスノロの意味。
・おたんこナス・・語源は諸説あるが、悪口としてはボケナスと同じ使い方をする。
・いも兄ちゃん(姉ちゃん)・・「いも」は垢抜けない、ダサいと言う意味で使われている。
・大根足・・・・・元々は白くて細い足をほめる言葉だったが、いまは太い足という悪口。
・土手かぼちゃ・・土手にカボチャがたくさん作られていたことから、どこにでもいる、役立たずの意味に使われる。
・頭がピーマン・・比較的最近使われている悪口で中身がないと言う意味。
・はすっぱ娘・・・はすっぱは下品で慎みがないという意味で使われる。
・うどの大木・・・ウドの木は食用にも木材にもできないので、役立たずという意味で使われる。
・もやしっ子・・・もやしの見た目から色白で体力がない子供のことを言う。
弟さんに聞いてみてください。
たぶん「わからん」っていうんじゃないですか?(^^)
そういえば、ボケナスとかオタンコナスとか、ナスの付く喧嘩言葉もありますね。
動物を使った悪口
動物を使った悪口には以下のものがあります。
・犬畜生・・・・人間以外の動物は下等という考えから犬を代表にして侮蔑している。
・権力の犬・・・犬は従順というイメージから権力の言いなりになる警察などを侮蔑する言葉。
・コバンザメ・・力のある人にへつらっておこぼれをもらっているという意味。
・寄生虫・・・・コバンザメと同じ意味で使われる。
・泥棒猫・・・・昔は外で魚を焼いていたのでよく猫に取られたことから、浮気相手の女性のこと言う悪口になった。
・豚野郎・・・・豚のイメージから、汚い、太っている、意地汚いと言う意味で使われる。
・チキン・・・・英語圏で使われている言葉を転用した臆病者という意味。
・鳥頭・・・・・鶏は追っ払ってもすぐ戻ってくるので、何度言ってもわからない頭の悪い人という意味。
まとめ
動物や野菜を使った悪口はいかがでしたでしょうか?
古い言い回しだと、言われても悪口とは気付かない場合もありますね。
悪口は言われても無視しているのが一番ですが、誰から悪口を言われたのかは認識しておいた方がいいこともあります。
極力その人から距離を置くためには必要だからです。
悪口として使うのではなく言われたときのために、いろいろな言い回しを覚えておくのも意味があることですね。
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