みなさんは「メタ認知」という言葉をご存じでしょうか?
メタ認知はアメリカの心理学者ジョン・H・フラベルが定義した心理学用語ですが、最近ではビジネスの分野でも人材育成などで活用している企業も増えています。
メタ認知によって感情のコントロールもできるので、悪口の対処法としても有効に思えます。
今回はメタ認知とは何か、メタ認知で悪口をやり過ごす方法について考えてみましょう。
メタ認知についての基礎知識
メタ認知で悪口をやり過ごす方法の前に、メタ認知とは何かを理解しておく必要があります。
メタ認知とは
メタ認知のメタはギリシャ語の「meta」を語源としている言葉で、「超える」「高次の」という意味があります。
メタフィクションという言葉がありますが、これは例えば映画の中で登場人物が映画の視聴者に向かって話しかけたりすることを言います。
つまり、フィンクションを超えているという意味で使われています。
メタ認知は心理学用語になりますが、やはりこのメタにも超えるという意味が含まれていて、自分自身を超えて客観的に認識をするという意味があります。
メタ認知は自分を客観的に見るだけでなく、自分をコントロールして冷静な判断や行動ができることも含まれます。
こうした能力を持っている人を「メタ認知能力が高い」と表現します。
自分の主観的な考え方を客観視して検証するもう一人の自分の見方です。
カントの「超越論的認識」と同じ意味で、それを現代風に格好良く言い換えたものと思われます。
メタ認知能力が高い人の特徴
メタ認知能力が高い人には以下のような特徴があります。
冷静な対応ができる
メタ認知能力が高いと自分も含めて客観的に見ることができるので、感情的ではない客観的な判断によって冷静に対処することができます。
柔軟性が高い
頭の固い人は過去の前例にこだわったり、自分の経験にとらわれたりするので、仕事で柔軟に対応できません。
メタ認知能力が高い人は、客観的に判断できるので柔軟性があり、失敗しても次に生かすことができます。
また、仕事のやり方や取引先の担当者の変更、転勤による配属替えなどでの人間関係の変化にも柔軟に対応できます。
仕事への意欲が高い
物事を客観的に見ることができると将来の判断も的確にできるようになります。
また、自分自身の欠点なども把握しているので、どのように仕事を進めれば効率的になるかも判断することができます。
そのため、将来が見えない不安も少ないので、仕事への意欲も高いという特徴があります。
メタ認知能力の身に付け方
メタ認知能力は後天的に身につけることができるのでしょうか?
結論から言うとメタ認知能力は自分で高めることが可能です。
客観的に自分を見ることができるようにするためには、自分の行動を一度客観的な視点からチェックすることが必要です。
例えば「遅刻をするクセがある」「仕事で同じ失敗をしてしまう」など、自分の欠点を確認します。
このことは「セルフモニタリング」と呼ばれています。
セルフモニタリングをすることで自分を客観視することができます。
この場合、頭の中だけで考えずに文章や図解も利用してみましょう。
おすすめはマインドマップなどのツールで、目に見えるようにする方法です。
そして、問題点がはっきりしたら今度はその解決方法も考えてみます。
遅刻が多いのであれば、早く起きるために何をすべきかを書き出す。
そして、それを実行することで問題を解決することを考えるのです。
メタ認知の具体的なやり方とメリットを説明します。
例えば、昔のことを思い出してイライラしているとします。イライラしている自分をもう一人の自分が見ているイメージを作ります。そうすることで「もう昔のことは忘れよう」と考えることができます。イライラが収まります。
— ムソムソ心理学【人間関係の悩み】やっかいな人はこれで解決! (@yakkainahito) September 26, 2021
メタ認知能力があれば悪口をやり過ごせる
メタ認知最大の特徴は、物事を客観的に見ることができるという点です。
そして、この特徴は悪口を言われたときにも発揮できます。
悪口を言われたときに悪口を言い返したり、感情的になったりする人は悪口に上手く対処できているとは言えません。
なぜなら悪口に感情的に返すことで憎しみを増幅させてしまうからです。
悪口を言い返せばまた言い返されることになり、ストレスもどんどん積み重なっていきます。
悪口を言われたときにもっともいい対処法は無視する、スルーすることなのですが、それがなかなかできない人が多いのです。
しかし、メタ認知能力が高いと、客観的に見ることができるので感情的に反応することがありません。
たとえ一時的に感情的になったとしても、感情的な自分でさえも客観的に認知して冷静に判断することができるからです。
また、客観的に判断できると、悪口を言い返しても何の得にもならないことも理解することができます。
SNSでメタ認知を鍛える
SNSなどで何かを発信する前にそれを読んだ人がどんな反応をするのかを考えてみましょう。
つまり文章を書いたら必ず読み返してみて、それを自分ではなく他人の文章として客観的に判断するのです。
SNSなどでバカな発言をしている人は、ほとんどが頭に浮かんだことをすぐに書き出しているので、発信してから後悔しているはずです。発信する前に読み直すだけでも思いとどまることができ、メタ認知能力も鍛えられるでしょう。
SNSをやっていない人は日記を付けるのもひとつの方法です。自分を客観的に見るには自分の書いた文章、特に自分の思いを綴った文章を読むのが一番です。
まとめ
メタ認知という言葉を初めて聞いた人も、悪口をやり過ごすのに活用できることがおわかりいただけたと思います。
また、悪口だけでなく、自分を客観的に見ることができると仕事でも役に立つことが多くなります。
ぜひメタ認知思考を身に付けましょう。
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