親が自分の子供の悪口を人前で言うのにはどのような心理があるのでしょうか。
子供がその場にいなければ愚痴や謙遜と言うこともできるでしょうが、子供の目の前で悪口を言うのは子供にとってプラスにならない気がします。
今回は人前で我が子の悪口を言う親の心理について考えてみましょう。
親が子供の悪口を言う心理
親が子供の悪口を言う心理には次のようなものがあります。
ほめ方を知らない
単純にほめることを知らない親は子供をけなすようになります。
例えば、ある科目のテストで子供が100点を取ったとしてもそれをほめずに、点数が悪かった科目について「もっと頑張りなさい」と言う親がいます。
子供はほめてもらいたいと思っていたのに、点数がいい科目はほめられずに悪い科目のことばかり言われることになります。
これでは子供はやる気をなくしてしまいますね。
なぜ子供をほめない親がいるかというと、親が子供のときにほめられたことがないからです。
自分が子供の頃にほめられた経験がないと、ほめられると嬉しくなってやる気が出ることが分かりません。
そのためやる気を出させるためには、もっと頑張れと言うことしかできなくなるのです。
もっと頑張れと言うことは悪口ではありませんが、子供の頑張りを認めていないことになるので、子供にとっては頑張りが足りないと悪口を言われているのと同じなのです。
間違った謙遜をしている
子供の悪口を人前で言う場合は、親は謙遜のつもりで言うことがあります。
A「○○ちゃんはお勉強ができてうらやましいわ、うちの子は全然できなくて・・・」
B「うちの子だって○○ちゃんみたいに運動ができなくて困っているの」
といった会話はママ友の間ではよくありそうな会話ですね。
親たちは謙遜したり、相手の子供をほめているつもりですが、目の前で自分の悪口を言われている子供は深く傷ついていることでしょう。
特に日本では「謙譲の美徳」と言われるように謙遜することが素晴らしいと思われています。
自慢をするより謙遜するほうが好まれることは確かですが、子供に関してはほめることを優先した方が教育上はいい場合が多いでしょう。
フォローのつもりで家に帰ってからほめているという親もいるかもしれませんが、家にいるときと外へ出たときの態度が違うのも教育上問題がありますね。
相手の子供をほめるのはいいですが、その引き合いにいちいち自分の子供を出す必要はありません。
親がほめられたら謙遜してもいいですが、子供がほめられたら素直に「ありがとう」と言う方がよほど子供にとっても良い結果になります。
子供がどう感じているかよりも外交モードなんだから理解しなさいって感じでしょう。
そして、直接の言葉の意味よりも、言葉が他人に与える影響を考えれば、それくらいは分かっているものとして発言します。
そういう常識的なことは自分の子供なら理解しているはず・・・って思い込みもあるかもしれませんね。
日本では人前で「ウチの子なんて~」と我が子の悪口を言うことがあります。
謙遜をしているつもりらしい。
確かに「いいお子さんですね」と言われたら「いえいえ、そんなことはないですよ」と答えると自然な会話に見えます。
— ムソムソ心理学【人間関係の悩み】やっかいな人はこれで解決! (@yakkainahito) October 29, 2021
(続き)
しかし、聞かれてもいないのに自分から人前で我が子の悪口を言うのは、私はNGだと思います。
それを聞いた子供は惨めな気持ちになるからです。
また、心理学では「ゴーレム効果」といって「お前はなんてダメな奴なんだ」と言うと、本当にダメな人間になります。
(続く)
— ムソムソ心理学【人間関係の悩み】やっかいな人はこれで解決! (@yakkainahito) October 29, 2021
(続き)
人の悪口は言うものではありません。
我が子ならなおさらです。— ムソムソ心理学【人間関係の悩み】やっかいな人はこれで解決! (@yakkainahito) October 29, 2021
否定されることを前提にしている
よく自分の嫌なところを友達に話して、否定されたがる人がいます。
例えば、実際は体重は増えていないのに「私最近太っちゃって」と言って「そんなことないよ」と言われることで痩せていることを確認したがる人のことです。
こうした否定されることを前提とした自分への悪口を、子供に対してもしてしまう親がいます。
「うちの子は全然勉強ができなくて・・・」と言うのは「そんなことはありませんよ」と否定してもらいたいために言うのです。
しかし、その場に子供がいる場合、子供にとっては親が自分の悪口を友達のお母さんにしていると考えます。
子供はまだ謙遜などという概念はわ分かりません。
自分が否定を前提にして自分の悪口を言う分にはかまいませんが、子供の目の前で否定を前提するのはやめましょう。
自分で自分の家の恥をさらしているだけなのにそれに気づいていないという惨めな結果を生むだけです。
周りから「そんな事ないですよ~良い娘さんじゃないですか~」というセリフをもし期待して周りに言っているなら大きな間違えですしね。
子供は親を見て育つ
子供にとっては親は絶対的な存在なので、親のやることはすべて正しいと信じてマネをして育ちます。
子供の悪口を言うことでその子供が大きくなって子供ができたときに、同じことをする可能性が高いのです。
子供を育てるときは常に親のマネをして育つと言うことを念頭において育てることが大切です。
よく子供が失敗して他人に迷惑をかけたときに「謝りなさい」と言う親がいます。
子供は親を見て育つと言うことを覚えていれば、子供に謝らせるのではなく自分が子供の代わりに謝るべきです。
法的には子供の行動の責任は親が取るものだからです。
しかし、それ以上に親が謝っている姿を見て子供は謝ることを覚えることが大切です。
子供の悪口を平気で人前で言ってしまう親は、子供が親をマネして育つことを忘れてしまっています。
これを常に意識していれば、子供の悪口は言おうとは思わないはずです。
まとめ
日本では自分を悪く言う人を謙遜していると持ち上げる風潮があります。
大人同士の会話では問題ないかもしれませんが、子供がいるときは少し意識して会話をする必要があります。
まだ小さいからよく分からないはずと考える人がいるかもしれませんが、小さい子供でも会話の雰囲気で自分の悪口を言われていることは察するものです。
悪いことをしたら叱るべきですが、基本的にほめて育てるほうが子供の教育には良さそうです。
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